監 修
山中 岳聽
作・構成
井上 岳宝
映 像
山本 清
ナレーター
大嶋 岳青
伴 奏
琴 :
生田流秀玉会会長
賀本 玉起
尺 八:
都山流師範
神野 天翠
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「
那須与一宗高
」
松口 月城
一矢弦にあり一生を懸く
宗高の心事孰か情に堪えんや
源平の合戦詩趣多し
軍扇翩々浪に入って明らかなり
ナレ:11
遷都わずか二年の福原に火をかけ敗走 一門は前方が海、後方に峻険な峰を控えた天然の要害 八島に陣を張り源氏を迎え討った。
「義経の弓流し」 「那須与一の扇の的落とし」 など、八島の戦いは中世武士道のロマンな戦いの数々が語り伝えられています
ナレ:12
瀬戸内海に突き出た小高い丘陵台地屋島。
合戦で武士達が血染めの太刀を洗った 「血の池」 などを見ながら坂を上ると、眼下に穏やかな海が視界に入り、およそ八百年昔、大海戦が行われた事が夢のようです。
「
舟 八島を過ぐ
」
正岡 子規
万里吹き来る波浪の風
往時を追思すれば已に空と成る
青山一帯人見えず
唯淡濃烟霧の籠むる有り
「
厳 島
」
浅野 坤山
遥かに鼇背を見れば一蓬莱
靉靉たる雲煙瑞臺を擁す
月は長廊に落ち灣上静かなり
萬燈の星列波を照らして来る
ナレ:13
屋島の陣も、義経の奇襲作戦に敢えなく敗退、追っての源氏が大軍を率いて押し寄せると聞き、又もや海へと逃れ平氏の赤い旗をたなびかせながら、又々瀬戸内を西下し最後の決戦の場、長門壇ノ浦へと向かった。
途中平家の氏神として一門の財力と十年の歳月をかけて再興し、又 瀬戸内の鎮守の神として崇拝し数々の宝物を献納した 豪華絢爛の厳島神社に立ち寄り一門の加護を祈念した。
ナレ:14
屋島の戦いにも敗れた平氏の軍勢は、又々瀬戸内の海をひたすら西に敗走。
終に運命の海峡壇ノ浦で対峙した。
「
壇の浦を過ぐ
」
村上 仏山
魚荘蟹舎雨煙と為る
簑笠独り過る壇の浦の辺
千載の帝魂呼べども返らず
春風腸は断つ御裳川
ナレ:15
両軍併せて四千艘といわれる大兵力が狭い海峡を埋めつくした。
一日に四度も流れが変わる海峡 潮の流れを味方とし又各水軍の源氏方への寝返りにより終に分治元年 (1185) 三月二十四日夕刻、幼い安徳天皇は清盛の妻 二位尼に抱かれ 「波の下にも都がありますよ」 との言葉のもと 三種の神器とともに入水 奢れる平氏は滅亡した。
「平氏にあらずんば人にあらず」 と権勢をほしいままにした 奢れる平家もわずか二十年余りで消え去り 世の無常を感じます。
平家一門の滅亡を決定づけた一の谷の戦い。
その地舞子ビィラホテルに宿を取り大阪岳風会役員による 「一泊研修会」 を開催しました。
その夜の夢路にはそれぞれの源平の戦いの懐古があったことでしょう。
「
一の谷懐古
」
梁川 星巌
二十余春夢一空
豪華吹き散ず海ゼンの風
山は殺気を排して参差として出で
潮は冤声を迸らせて日夜東す
憶う昔満宮の去鷁を悲しみ
往時を将って飛鴻に問わんと欲す
懶班剰し見る英雄の血
塹樹鵑啼いて朶々紅なり
千歳の哀しび この浦に泊まり
白波の音さえ 愁い多く侍るぞや
「
須磨寺や
」
松尾 芭蕉
須磨寺や 須磨寺や
吹かぬ笛聞く 木下闇
吹かぬ笛聞く 木下闇
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