英世は満一歳のとき、囲炉裏に落ちて左手を大やけどし、まるで木のこぶの様にまりました。
「手ん棒、手ん棒やーい」 子供達に、囃し立てられ、学校へ行くのもいやになってしまったことがあります。
その時母シカは
「一生懸命勉強して立派な人間になってお前を笑ったものを見返してやれ。」
と、涙と共に励ましたのです。
お前を不倶にしたのは、この母と自分を責めながら。
英世はその時から必死の猛勉強を開始します。
忽ち主席となり、高等小学校へ進んでからも主席を通しました。
二十歳の時、英世は医者になるべく家の床柱に 「志を得ざれば、再び、此の地を踏まず」 と堅い決意を刻んで故郷猪苗代を後に東京へ向かいます。
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野口英世
その三
松口
月城
決然 笈を負て 東都に上る
誰か料らん 他年 偉人と為るを
苦学 医を学び 休むことを肯ぜず
更に波涛を蹴って 米州に向こう
陸機黒拉 研究所
努力研鑚幾春秋
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