現在の日本は国内的にも様々な問題を抱えていますが、喫緊の課題といえばやはり安全保障です。我が国を取り巻く国際情勢は平成に入った頃から、急速に悪化してきました。しかし残念なことに、日本政府はこの状況に対し十分に対応をとれていないというのが実情です。
昭和四十年代から(昭和三十年代からという情報もある)、北朝鮮に何百人もの日本人が拉致されてきたにもかかわらず、数人しか取り返すことが出来ていません。国の主権が著しく脅かされ、推定数百人の同胞が人権を奪われ、人生を台無しにされているにもかかわらず、「返して下さい」と言うことしか出来ないのです。これはまったく国家の体をなしていないといえます。戦前の日本では考えられない事態です。いや幕末の志士ならこんな横暴は決して許さなかったでしょう。
平成十一年(1999)には、国籍不明の不審船(おそらく北朝鮮の工作船)が能登半島沖の領海を侵犯しましたが、対処に当たった海上保安庁と自衛隊は装備面からも追跡することが出来ず、みすみす逃しています。昭和二十八年(1953)に韓国に奪われた竹島もいまだに取り返すことが出来ないでいます。
こうしたことの根源は七十年前、GHQが、日本を完全武装解除するために押し付けた憲法に起因します。憲法と、その憲法のもとで日本の自衛権が制限されているとする解釈のせいに他なりません。憲法九条と誤った憲法解釈があるばかりに、日本は国土も国民も守れない国になってしまったのです。
「憲法九条」は今後一層、日本のアキレス腱となっていくことでしょう。前述したように中華人民共和国は、「尖閣諸島を取る」と宣言し、事実、実効支配に向けて軍艦や戦闘機による領海侵入、領空侵犯を繰り返しています。令和三年(2021)には、中国が領海を主張する海域に入った外国船に対して武器使用を認める法案を可決させました。また北朝鮮は、「日本を核爆弾で海中に沈める」と言って、恫喝しています。もはや目の前に危機が迫っている状況なのです。
しかし有事の際も、現憲法とその解釈の下では、自衛隊は日本を守るために有効な活動が出来るとは限りません。そもそも満足な防衛予算がないので、自衛隊には、断戦能力が不足しています。「現憲法下でも戦える」という左翼系学者がいますが、相当無理な憲法解釈をしなければ、その結論にはたどり着けません。なぜなら「憲法九条」にははっきりと「国の交戦権は、これを認めない」と書かれてあり、「武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」とも書かれてあるからです。
制定当時の日本人の多くはこれを屈辱と考えましたが、その後、GHQの洗脳教育を受けた世代がマスメディアに入り、また左翼系知識人となって社会の大勢を染めるにつれ、この憲法は「世界に誇るべき平和憲法」であるという声が大きくなり、さらに学校教育でもそのように教えるようになったため、戦後生まれの多くの日本人が素晴らしい憲法だと思い込むようになってしまいました。
たしかに戦後半世紀以上、日本を軍事的に脅かす国は現れませんでした。ソ連は脅威ではありましたが、日本は日米安保条約による「核の傘」によって守られたまま過ごしました。つまり「憲法九条」があろうとなかろうと、結果は同じであったともいえます。そのため政治家の誰も火中の栗を拾おうとはしなかったのです。
しかし近年、中華人民共和国や朝鮮民主主義人民共和国の軍事的恫喝で、日本の主権と安全は大いに脅かされています。一方、テロも国際的になり、現行憲法に「緊急事態条項」がないことも問題視されるようになってきています。「緊急事態条項」は、戦争や災害や大規模なテロなど、国家の平和と独立を脅かす緊急事態に対応するための条項で、これにより憲法のもとでの秩序を維持しようとするものです。
現在は、日米安保条約に基づいて、有事の際はアメリカ軍に助けてもらうことになっており、日米安保条約と在日米軍の存在が日本に対する侵略を抑止する力になっています。たしかに歴代のアメリカ国務長官や国防長官は、「日本が攻撃された場合、アメリカは自国を攻撃されたものとみなす」という発言をしてます。この発言は充分に重いものですが、現実に日本が他国の攻撃を受けた時、はたしてアメリカ軍が助けてくれるかどうかとなると、実は疑問です。特に日本が第三国から、通常兵器ではなく核による攻撃を受けた場合、アメリカはその国に対して報復核攻撃はしないといわれています。なぜならアメリカがその国と前面戦争になるからです。
現に、CIA長官を務めたスタンスフィールド・ターナーは「もしロシアが日本に核ミサイルを撃ち込んでも、アメリカがロシアに対して核攻撃をするはずがない」と断言しています。国務長官だったヘンリー・キッシンジャーも同様の発言をしています。カール・フォード元国務次官補は、「自主的な核抑止力を持たない日本は、ニュークリア・ブラックメール(核による脅迫)をかけられた途端、降伏または大幅な譲歩の末停戦に応じなければならない」と言っています。これが現実なのです。
通常兵器による攻撃を受けた場合においても、もし「憲法九条」の足枷のために自衛隊が出動出来ない時、はたしてアメリカ軍が戦うでしょうか。自国にために戦わない国のために、アメリカの若者が命を懸けるかどうか、考えるまでもないでしょう。
また近年は武力を用いない侵略の危険性も取り沙汰されています。
日本では外国人も自由に土地を購入出来ることから、日本を仮想敵国とする外国人も大規模に土地を買収しています。オーストラリアやニュージーランドなどの先進諸外国では同様の事態に対して迅速な法規制を行ないましたが、日本では、これを制限する法整備がほとんどなされていないのが現状です。帰化人の国政への関与についても諸外国のような制限がありません。つまり外国からやって来て帰化した途端に国会議員になれるのです。実際には日本には帰化した国会議員が少なくありませんし、中には二重国籍を持った議員もいました。
現在の日本の法律下では、悪意を持って日本を内側から変える目的で帰化した外国人が国会議員となり、日本を弱体化させる法案を作ったり、日本を守るための法案を潰すために活動することが可能です。前述したように、日本国内には日本を仮想敵国とする国や日本を憎悪する国を母国とする在日外国人が多数存在します。完璧な法律は存在しませんが、「性善説」に則った法律は常に危険を含みます。
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