現代においても歴史学者や評論家の中には、「WGIPなど存在しない」「WGIPは妄想の産物」と断定する人が少なくありません。しかしWGIPは陰謀論ではなく、厳然として存在するものです。
なぜならGHQの公式文書には、「日本人にWGIPを植え付ける」という文言が入った書類が多数残されているからです。たとえば、GHQの民間情報教育局(CIE)が昭和二十三年(1948)三月三日に出した文書のタイトルは、そのもずばり「WGIPについて」です。そこには次のような文章があります。
「その任務を果たすためCIEは1945年10月から1946年6月までの期間に第一段階のWGIPを開始した。このプログラムは日本のすべての公衆情報メディア、すなわち新聞、書籍、雑誌、ラジオ、映画を通じて実施された」(有馬哲夫著『日本人はなぜ自虐的になったのか』より)
ここにはGHQ自身がはっきりとWGIPを開始したと書いています。これほど明白な証拠はありません。これはあくまで一例で、GHQが日本人にWGIPを植え付けようとしていたことが書かれている文書はいくらでも残っています。
WGIPを否定する人たちは、こうした一次史料を無視します。あるいは「ウォー・ギルトとは『戦争の有罪性』を説くもの」という風に倫理をすり替えを行なっています。
ところで、このGHQの文書で注目すべきは、「日本のすべての公衆情報メディア、すなわち新聞、書籍、雑誌、ラジオ、映画を通じて実施された」というくだりです。実はWGIPを試みたのはGHQですが、その後、それを積極的に推し進めたのは、他ならぬ私たちの国のメディアだったのです。さらにそれを後押した組織に「教育界」があります。教職員追放の後、大学やその他の教育機関にGHQの阿る教授や教諭が大量に入り、若者や子供たちに自虐思想を植え付けていきました。
メディアと教育による「洗脳工作」は、連合軍の占領期間中に弛まず行なわれました。その結果、日本の若年層の間に、過剰に自己を否定する、いわゆる自虐史観が蔓延していきました。そして後に彼らの中から、「君が代」や「日の丸」を否定する人々が大量に生まれました。実に悔しいながら、日本人をマインドコントロールするGHQの占領政策は見事に成功したと言わざるを得ません。
ちなみに戦後、GHQに最も忠実な報道機関となったのが朝日新聞と毎日新聞です。特に朝日新聞は自ら進んでGHQの政策を肯定し、マッカーサーを賞賛しました。昭和二十六年(1951)に彼が連合国軍最高司令官を解任され、アメリカに帰国する際にはこう書きました。
「われわれに民主主義、平和主義のよさを教え、日本国民をこの明るい道へ親切に導いてくれたのはマ元帥であった」(昭和二十六年【1951】四月十二日)
まるで毛沢東か金日成を礼讃する共産主義国の機関紙のようです。
呆れたことに、この時、マッカーサーを顕彰する「マッカーサー記念館」を作ろうという提案がなされ、その発起人に当時の朝日新聞社社長の長谷部忠はせべただすが名を連ねています(毎日新聞社社長、本田親男ほんだちかおの名前もある)。朝日新聞社や毎日新聞社にとって、ダグラス・マッカーサーはそれほど偉大な人物であったということでしょう。
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