~ ~ 『 寅 の 読 書 室 Part Ⅶ-Ⅸ』 ~ ~

 
== 『日 本 国 紀 (下)』 ==

著 者:百 田 尚 樹
発 行 所:幻 冬 舎 文 庫
 
 
 
 
 
第十三章 敗戦と占領
大東亜戦争は日本の敗戦で終結しました。
日本という国の二千余年の歴史の中でも、未曽有の大敗北であったばかりか、外国の軍隊に国土を占領され、主権も外交権も奪われるという屈辱そのものというべき結果となりました。
戦争と」敗戦が日本人に与えた悲しみと苦しみは計り知れません。人的被害や物的損害は甚大なものでした。多くの国民の命が奪われ、明治維新以来、七十七年間の間に、日本人が死に物狂いで築き上げて来た多くのインフラ施設のほとんどが灰燼に帰したのです。同時に未来への希望も打ち砕かれたといっても過言ではありません。
しかし本当の意味で日本人を打ちのめしたのは、敗戦自体よりも、その後になされた占領でした。日本を占領した連合軍の政策は苛烈そのものでした。占領軍は、かつて有色人種に対して行なったように、日本の伝統と国柄を破壊しようとしたのです。
幸いにしてそれらは不首尾に終わりましたが、日本人の精神を粉砕することには成功したといえます。
本書の中で、これほど書くのが辛い章はありません。おそらく読者も同じだと思いますが、それだけにこの章は避けて通れないのです。
2026/01/26
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