2017/09/05 (火) 筆記具はやはり筆と半紙でしょうか。 |
せっかくの機会ですから、筆と半紙で古式ゆかしく書きましょう。 |
| 最近では、ボールペンや万年筆などで書写できるテキストもあるようですが、筆記具については、せっかくの機会ですから書道用品をそろえて、筆を下ろして、古式ゆかしく書くことをおすすめしたいと思います。 昔は筆ひとつをとっても、写経用のものを作る時には動物の毛は使わないで、植物の繊維を用いるなどの配慮がされることがあったようですが、今日では、寺院でも普通の筆を使って書いています。 紙については、今日では写経用紙なども売っていますが、ごく普通の半紙でかまいません。ただ、かりそめにも写経するのですから、汚れた紙や破れた紙などは望ましいとはいえません。ノートなどに書ければ気軽ではありますが、気持を改めることが難しくなります。気軽に書けることよりも、心を込めて手間をかけるくらいの気持が大切です。 また、具体的は方法として、手本に用紙を乗せて書く、いわゆるトーレス方式が多いようです。ですが紙の質によってはこれが出来ません。やや厚めの紙などがそれですが、そうしたものを使う時には、手本の上に乗せて書くのではなく、見比べて写すようになります。 なお、写経用の筆や硯は、他の俗事には用いない方がよいとされています。 |
|
2017/09/05
(火) 書き間違えたら、最初からやり直しですか。 |
| 写経をしておりますと、どうしても誤字を書いたり、書き損じたり、といったことが起こります。そうした場合でも、せっかく書いたものを破いたり、黒く塗りつぶしたりしてはいけません。 ▲印などを誤字の横につけて、その行の欄外に正しい文字を書いておきます。脱字も同じようにします。この場合は、誤字の場合とは違う記号を用いればいいでしょう。こうすると、たとえ誤字脱字があっても美しく仕上げることができかす。 また、だいたい一行十七文字程度で書くことが多いようですが、どうしても何行に何字でおさめなくてはならに、というような決まりはありません。 ただ、厳密な作法では、同じ行では再度同じ文字を使わないのが約束です。
『般若心経
』 には 「無」 という文字がたくさん出てきますが、同じ行に無という字を書いてはいけないとううので、少し文字の形を変えたりもします。しかし、形を変えられない文字のほうがはるかに多いので、写経用に臨時の作字をすることもありました。もっとも、一般の方が写経する場合は、ここまで厳密に行う必要はないでしょう。 |
|
『実践
般若心経入門』 著:羽田 守快 ヨリ |
Next |