ありますが、一番大切なのは、尊いお経を読むのだという気持です。 |
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お経は、ただ読めばいいというのではなく、
「読経作法」 というのがあります。これは宗派によってまちまちですが、顕教と密教の両用の次第 (作法の手順) をあげることにします。もっとも、これは改まったときの作法ですので、外でお参りするときなどは、ただ
『般若心経』 をあげるだけでもけっこうです。 なお、お経を読む姿勢に決まりはありません。正座しても腰かけた姿勢でも、坐禅のように足を組んでもかまいませんが、尊いお経を読むという気持で、なるべく姿勢を正してお読みください。姿勢が悪いと声も思うようには出ませんし、長時間に及ぶと健康にもよくありません。ただ病人などは無理をせず、寝たまま心の中で念じられても十分に功徳になりますので、ご心配はいりません。 声の大きさにつきましては、周囲にも配慮してください。人の迷惑になるような大声を出したり、所かまわずあげるものではないことは、いうまでもありません。 |
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読 経 作 法 ─ ─ |
@ 三礼
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三礼とは、三遍さんべん
拝むことです。正式には五体投地礼ごたいとうちらい
ですが、今は坐礼ざらい といって、坐ったままいたします。掌てのひら
を上に向けて両手を前にさし出し、頭をさげます。 |
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A 『南無なむ
十方法界じつぽうほうかい 常住じょうじゅう
三宝さんぼう 』 奉唱 (三遍、二丁) |
「南無十方法界常住三宝」
と、三度唱えます。次に、打ち鳴らしがあれば二回たたきます。以降、一丁とか二丁と書きます。一丁なら一回、二丁なら二回たたきます。 |
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B
懺悔文ざんげもん 奉唱 (一遍、一丁) |
「我昔がしゃく
所造しょぞう 諸悪業しょあくごう
。皆由かいゆう 無始むし
貧瞋痴とんじんち 。従身じゅうしん
語意ごい 之所生ししょしょう
。一切我いつさいが 今皆こんかい
懺悔さんげ 」 と一度唱えて、打ち鳴らしを一丁します。 仏教では、懺悔を先にいたします。これは、罪と知って犯す罪ばかりでなく、知らないうちにつくる罪、また過去世かこせ
の罪も含みます。 |
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C 三帰依文 奉唱 (三遍、一丁) |
「弟子某でしむ
甲盡こうじん 未来みらい
際さい 。帰依きえ
仏ぶつ 。帰依きえ
法ほう 。帰依きえ
僧そう 」 と三度唱え、一丁。この言葉の意味は、
「未来永劫、私は仏・法・僧の三宝に帰依します」 となります。ちなみに某甲とは自分のことです。 |
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D
三竟きょう 奉唱 (三遍、一丁) |
「弟子某甲盡未来際。帰依きえ
仏竟ぶつきょう 。帰依きえ
法竟ほうきょう 。帰依きえ
僧竟そうきょう 」 と三度唱え、一丁。 これは先ほどの帰依文の完了形です。竟とはきわまった、完了した、という意味ですから、仏・法・僧に帰依いたしました、という訳になります。
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E 三聚さんじゆ
浄戒じょうかい 奉唱 (三遍、一丁) |
「摂善しょうぜん
法戒ぽかい 。摂律しょうりつ
儀戒ぎかい 。饒益ぎょうやく
有う 情戒じょうかい
」 と三度唱え、一丁。 これは戒です。普通は十善戒 (不ふ
殺生せっしょう 、不ふ
偸盗ちゅうとう 、不ふ
邪婬じゃいん 、不ふ
妄語もうご 、不ふ
悪口あつく 、不ふ
両舌りょうぜつ 、不ふ
綺語きご 、不ふ
慳貧けんどん 、不ふ
瞋恚しんに 、不ふ
邪見じゃけん ) といって、十種類の戒をお唱えしますが、ここでは略式の作法とします。摂善法戒は善よ
きことを行うこと、摂律儀戒は悪事をしないこと、饒益有情戒は一切の人や生きものを利益りやく
することです。 ちなみに十善戒を概観しますと、 不殺生=殺してはならない。不偸盗=盗んではならない。不邪婬=妻や夫以外の人間と交わってはいけない。不妄語=嘘をついてはいけない。不悪口=陰口、中傷をしてはいけない。不両舌=二枚舌はいけない。不綺語=無駄口、無駄話はいけない。不慳貧=貪ってはいけない。不瞋恚=自分に順わない者に対し、怒りをもってはいけない。不邪見=物事の本質を見極める眼を持たなければいけない。 となります。最後の不邪見とは、因果の理ことわり
を無視することをいいます。 |
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F 開経かいきょう
偈け 奉唱 (一遍、二丁) |
「無上むじょう
盡じん 盡じん
微み 妙法みょうほう
。百千万ひゃくせんまん 劫難ごうなん
遭遇そうぐう 。我が
今こん 見聞得けんもんとく
受持じゅじ 。願解がんげ
如来にょらい 真実儀しんじつぎ
」 と一度唱え、二丁。 開経偈とは、経典をあげる前に唱えられるものです。出典や作者は不明ですが、およそ宗派でも慣用的に唱えられます。下し読みしますと、
「無上盡微妙の法は、百千万劫にも遭遇すること難かた
し。我れ今見聞し、受持することを得たり、願くは、如来の真実儀を解げ
したてまつらん」 となります。これから唱えるお経は、生まれ変わり死に変わりして、ようやく出会うことが出来るほど貴重なものだ、と賛嘆しているのです。 |
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G
読経 どきょう |
ここで、
「魔訶 まか 般若
はんにゃ 波羅 はら
蜜多 みつた 心経
しんぎょう 」 からはじまる経文を読みます。 読む回数に決まりはありません。もし千巻心経
せんがんしんぎょう (祈願を持って千回読経する)
のように、何回か続けて読む時は、二回目以降、経題は省いて 「観 かん
自在 じざい 菩薩
ぼさつ 」 からくり返してもけっこうです。 お経を読んだあとに、一丁します。そのあとで信仰している仏様の名号、たとえば
「南無 なむ 観世音
かんぜおん 菩薩ぼさつ
」 とか、聖しょう 観音菩薩のご真言である
「オン・アロリキャ・ソワカ」 もしくは 『般若心経』 のご真言である 「ギャーティ・ギャーティ・ハラギャーティ・ハラソウギャーティ・ボジソワカ」 を繰り返してもいいでしょう。 |
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H
回向文えこうもん 奉唱 (一遍、五丁) |
「願がん
以此にし 功徳くどく
。普及ふぎゅう 於お
一切いっさい 。我等がとう
与よ 衆生しゅじょう
。皆共かいぐ 成仏道じょうぶつどう
」 と一度唱え、五丁。 読み下しますと、 「願わくはこの功徳を以もつ
って一切におよぼし、我等と衆生と皆共に仏道を成さんことを」 となります。自分だけでなく、あらゆる衆生の幸福を祈って終りにします。 |
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I
三礼 |
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