通常お経は、仏像に向かってあげるものです。つまり、お仏像に向かってお唱えいたします ご先祖様や亡くなった方には回向
と言いまして、仏様にお経をあげた功徳を回し向けるわけです。この意味で、お仏壇には仏像がなくてはなりません。 しかし 「うちには仏壇も仏像もない」 という人は、意外に多いと思います。また、たとえ仏像があったとしても、開眼かいげん
供養のされていない飾り物ではいけません。よしんば最初は飾り物であっても、開眼といって仏様としてお祀まつ
りできるようにして、日常的に拝んでおけばいいのですが、飾り物にしたり拝んでみたりというようなことは望ましくありません。もし拝むものなら、けじめとしてキチンとお寺に頼んで、開眼しておくのがよいと思います。 また、仏画やお札でもいいですし、そういうものがないなら、半紙に
「仏法僧」 と書いてお祀りしてもよいでしょう。仏法僧は、すべての仏教で三宝さんぽう
として尊ぶものですから、お宅の宗派が何であっても、心配はいりません。また、 『般若心経はんにゃしんぎょう
』 なら観音かんのん 様のお悟さと
りですから、紙に観世音かんぜおん
菩薩ぼさつ と書いてもよろしいでしょう。
『般若心経』 をあげてもかまわない宗派なら、仏壇の前であげるのが一番ですが、たとえあげない宗派でも、個人的に読む分には、さしつかえはないと思います。 |