第四節 舎
利り 子し
| | 「般若心経はんにゃしんぎょう
」 は釈尊しゃくそん が、弟子のひとり舎利弗に話しかける形で進んでいく。 舎利弗は十大弟子のひとりで、
「智慧ちえ 第一」 と謳われた人物だ。 |
| 「舎利子しゃりし
」 とは、お釈迦しゃか 様のお弟子である舎利弗しゃりほつ
(シャーリプトラ) という方のことです。 『般若心経はんにゃしんぎょう
』 は、お釈迦様が観音様かんのんさま
のお悟さと りの秘密を、お弟子である舎利弗尊者そんじゃ
(舎利子) に説く形でつづられています。この人は、お釈迦様のお弟子の中でも 「智慧ちえ
第一」 といわれた方です。つまり、大変に頭脳明晰めいせき
なお弟子さんだったわけです。経典には、しばしばこういう仏弟子がお釈迦様から説法を受けたり、逆に質問したりという場面が出てまいります。 こういう仏弟子方は、
「声聞しょうもん 」 というクラスに属します。声聞という名称は、直接お釈迦様のお説法せっぽう
の声を聞いたことから来ています。ですから、現代では声聞という人はいないのですが、お坊さんが頭を剃った姿は、実は彼ら声聞の姿と精神を受け継いでいるのです。これに対して菩薩ぼさつ
は、宝石やアクセサリーなどをつけ、おしゃれに着飾っていますが、これは在家ざいけ
の方の姿を象徴しているのです。ただ実際のお釈迦様の時代には菩薩という概念はなく、正式に教団に入った方は剃髪ていはつ
されたようです。 お釈迦様のお弟子には、ほかにも優れた方が多く、代表的な方は十大弟子と呼ばれています。 智慧第一と言われた舎利弗のほかに次のような方々がいらっしゃいます。 |
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