やっと きみがぼくのものになった 
ところがどうだ
よけい苦しみが増し
物思いが多くなった
不安 嫉妬 独占欲・・・・・
ぼくは新しい苦しみをさまざま知った
この苦しさに比べれば
きみを得たいとひたすら望んでいた
昔のぼくの物思いなんて
実に単純で底が浅かった


あひみての

 のちの心に くらぶれば

  昔はものを 思はざりけり

               権中納言敦忠