住の江の 岸による波
その よるの夢路にさえ
きみは 人目を避けて
ぼくと 会ってはくれないのか
 昼は無論のこと 夜の夢にさえ
 きみは訪れてくれないじゃあないか


住の江の

 岸に寄る波 よるさへや

  夢の通ひ路 人目よくらむ

            藤原敏行朝臣