花の色はもはやうつろうてしまった、
この長雨に桜も散り 色がわりした。
それと同じように、
私自身 物思いに屈しているうちに、
いつか 盛りの若さもすぎてしまったのだ。
花の色は

 うつりにけりな いたづらに

  わが身世にふる ながめせしまに
 
                小野小町