都は賊軍に破壊し尽くされてしまったが、山河の自然だけがもとの形をとどめている。 美しい花にも涙が流れ、家族との別れを思うと鳥の声にも心が乱れるばかりである。 戦いは長い間続き、家からの手紙は万金に相当する程貴重なものだ。 この憂いに白髪は更に短くなりとてもか ぶりものをとめるかんざしもさせない程になってしまっている。