静かな夜、寝台の前のしき石に、月に光が明るく白くさし込んでいる。 この光は戸外一面に霜が降りたのではないかと思われるほど白く明るく光っている。 頭を挙げてみれば、山上に明るい月が皎々と輝いている。異郷でこのような美しい月を見ると、故郷のことがい ろいろと思い出され、その思いに沈んでしまうのである。