山 中さんちゅうつき
真 山民

我愛山中月 炯然掛疎林

為隣幽独人 流光散衣襟

我心本如月 月亦如吾心

心月両相照 清夜長相尋
われあい山中さんちゅうつき
炯然けいぜん として りんかか
幽独ゆうどくひとあわ れむがため
流光りゅうこう きんさん
わが心本月こころもとつきごと
つきまた こころごと
こころつきふたつ ながらあい らし
せい とこし なえに相尋あいたず ねん

私は山中に掛かっている月が、木のまばらな林を照らしているのを愛する。
この隠士である私を憐れむかのよう に、月光は私の襟のあたりを照らし続けている。
私の心はもともと月のように自然で無欲、時勢にへつらうことなく、月もまた私の心と同じで、わが心と月と共に照 らしあって、このすばらしい美しい夜をいつまでもいつまでも尋ねるのである。