れい ざん
乃木 希典
嘉永二(1849)〜大正元(1912)

爾靈山険豈難攀

男子功名期克艱

鐵血覆山山形改

萬人齊仰爾靈山
霊山れいざんけんなれどもあにがたからんや
だん 功名こうみょう克艱こっかん
鉄血山てっけつやまおおうって山形改さんけいあらたまる
万人斉ばんじんひと しくあお霊山れいざん

二〇三高地がいかに要害であろうとも、これをよじのぼりえないということはないであろう。
男子が功名をたてようとする時は艱難は覚悟の前である。
この覚悟の下に、我軍は突撃又突撃、あまりに激しいその攻撃に、山は元の形を止めないまでになってしまった。
多くの人々はこの山を仰ぎ、忠烈勇壮の跡を偲び、永遠不滅の偉功をたたえて止まないことだろう。