訣
(
けつ
)
別
(
べつ
)
梅田 雲濱
文化十二(1815)〜安政六(1859)
妻臥病床兒無飢
挺身直欲當戎夷
今朝死別與生別
唯有皇天后土知
妻
(
つま
)
は
病床
(
びょうしょう
)
に
臥
(
ふ
)
し児は飢えに鳴く
身
(
み
)
を
挺
(
てい
)
して
直
(
ただ
)
ちに
戎
(
じゅう
)
夷
(
い
)
に
当
(
あた
)
らんと
欲
(
ほっ
)
す
今朝
(
こんちょう
)
死
(
し
)
別
(
べつ
)
と
生別
(
せいべつ
)
と
唯皇天后
(
ただこうてんこう
)
土
(
ど
)
の
知
(
し
)
る
有
(
あ
)
り
妻は病の床に臥し児は飢えに泣き叫んでいる。
自分はこれより一身をなげだして攘夷を決行しようと思っている。
今朝の別れは死別となるのか生別となるのか。
それは天地神明が知るのみである。