桂林荘雑詠けいりんそうざつえい 諸生しょせいしめ
廣瀬 淡窓
天明二 (1782) 〜 安政三 (1856)

休道他郷多苦心

同袍有友自相親

柴扉暁出霜如雪

君汲川流我拾薪
いう うことを めよ きょう しん おお しと
同袍友どうほうとも おのずか相親あいした しむ
さい あかつき ずれば霜雪しもゆきごと
きみせん りゅうわれたきぎひろ わん

他郷での勉学には、苦しいこと、つらいことが多いと言うのはやめなさい。
そこには一つのどてらをともに着るよう な、苦労を分かち合う仲間がいて自然と仲良くなるのだから。
塾舎の柴の折戸を開けて外に出てみると、霜は雪のように白く降りている。
さあ、君は川に行って水を汲むのだ 。ぼくは山でたきぎを拾ってこよう。