じょう こう 西にし のかたなん けいめぐうた
李 白
701 〜 762


けん かくちょう かん しょくほく もん

じょう こう くもごとたむろ

しょう てい ちょう あん きょくひら

じつ げつ なら けてけん こん らす
劍閣重関蜀北門

上皇帰馬若雲屯

少帝長安開紫極

雙懸日月照乾坤

(通 釈)
剣閣の山は重なり合って関所となっていて、長安から蜀に通ずる北門となっている。
都へ帰る玄宗一行の馬車は、雲のように屯している。粛宗は長安に玉座を開いて即位されている。
日と月とが空に並び懸かって天地を照らすように、上皇 (玄宗) と天子 (粛宗) とが天地を照らしてゆかれる。

○上皇==玄宗。 ○南京==蜀の成都。
○剣閣==長安と蜀との間に大剣、小剣という二山があり、閣橋を作って通じてある。
○少帝==粛宗。 ○紫極==玉座。