(通 釈) 高く聳え立つ阿蘇山は、千年もの間、この地に抜き出て際立ってある。 雄大な外輪山の姿は、あたかも九州を圧するかのように思われる。 噴火口の底深くには霊妙な火が秘められており、永遠に、わが国を護るのである。
○巍峨==山が高く聳え立つさま。 ○蘇岳==阿蘇山のこと。 ○千秋==千年、転じて永い年月をいう。 ○秀==ぬきん出る。 ○山勢==阿蘇の雄大に連なっている様子。 ○孔底==噴火口の底。 ○霊火==火口深いところにある霊妙な火。 要するに溶岩のことだが、作者の阿蘇山に対する畏敬の念から用いたのであろう。 ○無窮万古==古い昔から遠い将来に渡るまでいつまでも。