しゃ うた
日柳 燕石
1817 〜 1868

縦呑鐡?湯

不變男子腸

聽我娑婆歌第一

尊皇尊皇又尊皇

縦攀劍樹枝

不作婦人姿

聽我娑婆歌第二

攘夷攘夷又攘夷

縦爲候家敵

不爲皇國賊

聽我娑婆歌第三

報國報國又報國
たと鐡?てつかくとう むとも
だん はらわたへん せず
しゃ うただい いち
尊皇そんのう 尊皇そんのう また 尊皇そんのう
たとけん じゅえだ ずとも
じん姿すがた さず
しゃ うただい
じょう じょう また じょう
たとこう てき るとも
皇国こうこくぞく とは らず
しゃ うただい さん
報国ほうこく 報国ほうこく また 報国ほうこく

(通 釈)
かりに、鉄鍋の中の煮えたぎった湯を呑まされようとも、自分が男子として一度決めた心を変えるものではない。
聞き給え、私のこの世での節操とする其の第一は、尊皇・尊皇・ひたすら皇室を尊ぶことである。
かりに、刃の枝を登らせられるようなことがあろうとも、婦人のような女々しいふるまいは決してするものではない。
聞き給え、私が今心に固く決めていることの第二は、攘夷・攘夷、何が何でも夷敵の脅威からこの国を守ることである。
たとえ、将軍に敵対するようなことがあっても、天皇がお治めになられる、この国の賊とはならないのである。
聞き給え、私がこの世にある限りなさねばならぬことは、報国・報国、ひたすら国の為に微力を尽くして、国恩に報いることである。