墨田花可醉 蓮湖月可吟 想昔連騎豪遊日 櫻花爛漫月沈沈 錦城春暗辛未年 人生浮沈是天然 若有孤心徹亡友 感涙爲水到九泉
(通 釈) 墨田の堤の桜はすばらしい酔い心地になる。不忍池の月は吟ずるにすばらしい。 それにしても想う、昔、馬を並べて竜雄らと花月のもとで豪遊酔吟した日のことを。桜の花は咲き乱れ、月は静かな水面に影を映していた。それが友亡き後の花のお江戸の辛末の春は、なんと我が心を暗くすることか、人生の浮沈はそれは自然の営みだからしかたがない。もし、わが孤心の想いが九泉の亡き友に通じるならば感極まった我が想いは水となって九泉にとどくだろう。