じゅつ かい
雲井 龍雄
弘化元 (1844)〜明治三 (1870)
慷慨如山見死輕

男兒生世貴成名

時平空?英雄骨

匣裡寶刀鳴有聲
慷慨こうがい やまごとかろ
だん うま れて すをとうと
とき たいら にしてむな しくうず英雄えいゆうほね
こう 宝刀ほうとう ってこえ

慷慨の心は山の如く重く、それに比べれば一身の死などということはまことに軽い。
男子たるもの、この世に生まれては、誉れの名声を挙げることこそ貴いのである。
けれどもこの泰平の時代にあってはその名をあげる機会もなく、英雄も空しく地に骨を埋めるのみで、折角の宝刀も匣の中で不満の声を挙げるばかりである。