慷慨の心は山の如く重く、それに比べれば一身の死などということはまことに軽い。 男子たるもの、この世に生まれては、誉れの名声を挙げることこそ貴いのである。 けれどもこの泰平の時代にあってはその名をあげる機会もなく、英雄も空しく地に骨を埋めるのみで、折角の宝刀も匣の中で不満の声を挙げるばかりである。