衣(ころも) は骭(かん) に至(いた) り 袖(そで) 腕(わん) に至(いた) る 腰間(ようかん) の秋(しゅう) 水(すい) 鉄(てつ) 断(た) つ可(べ) し 人(べ) 触(ふ) るれば 人(べ)を斬(き) り 馬(うま) 触(ふ) るれば馬(うま) を斬(き) る 十(じゅう) 八(はち) 交(こう) を結(むす) ぶ健(けん) 児(じ) の社(しゃ) 北(ほっ) 客(かく) 能(よ) く来(きた) らば何(なに) を以(もつ) てか酬(むく) いん 弾丸(だんがん) 硝(しょう) 薬(やく) 是(これ) 膳(ぜん) 羞(しゅう) 客(かく) 猶(なお) 属(しょく) ?(えん) せずんば 好(よ) し宝刀(ほうとう) を以(もつ) て渠(かれ) が頭(こうべ) に加(くわ) えん
衣至骭 袖至腕 腰闖H水鐡可斷 人觸斬人馬觸斬馬 十八結交健兒社 北客能來何以酬 彈丸硝藥是膳羞 客猶不屬? 好以寶刀加渠頭
短い裾に短い袖、みなりはまことに粗末だけれど、その兵児帯にたばさんだ刀は鉄さえ訳けなく切れる。 人でも馬でも片っ端から斬る意気込みだ。 十八歳の若人が結社 (健児社) を作り、お互いに切磋琢磨に身を入れる。 若し肥後勢が攻め来るならば、弾丸硝薬ご馳走いたそう。それでも満足せぬならば宝刀をふるって素っ首刎ねて進ぜよう。