ぜん うた
頼 山陽
安永九 (1780) 〜 天保三 (1832)


ころもかんいた り  そで わんいた
腰間ようかんしゅう すい てつ
るれば
うま るればうま
じゅう はち こうむすけん しゃ
ほっ かく きた らばなにもつ てかむく いん
弾丸だんがん しょう やく これ ぜん しゅう
かく なお しょく えん せずんば
宝刀ほうとうもつかれこうべくわ えん

衣至骭  袖至腕

腰闖H水鐡可斷

人觸斬人馬觸斬馬

十八結交健兒社

北客能來何以酬

彈丸硝藥是膳羞

客猶不屬?

好以寶刀加渠頭


短い裾に短い袖、みなりはまことに粗末だけれど、その兵児帯にたばさんだ刀は鉄さえ訳けなく切れる。 人でも馬でも片っ端から斬る意気込みだ。
十八歳の若人が結社 (健児社) を作り、お互いに切磋琢磨に身を入れる。
若し肥後勢が攻め来るならば、弾丸硝薬ご馳走いたそう。それでも満足せぬならば宝刀をふるって素っ首刎ねて進ぜよう。