昔、ここ金陵 (南京) の鳳凰台の上には、鳳凰が飛んで来て遊んだと伝えられているが、今では、鳳凰は去り、台だけが空しく残り、台の下の長江
(揚子江) のみが昔ながらに流れている。
昔、呉の宮殿に咲いていた美しい草花は、今は荒れた細い小道に埋もれ、東晋の時代に衣冠を着飾った貴族も、みな丘の土となってしまった。
はるか西南の方向に見える三山は、雲の上にまでそびえ、中腹から下は青空の外へ落ちかかっているように見え、また二水は白鷺洲をはさんで二つの流れとなっている。
それにしても、あの浮雲が太陽の光を遮っているように、凡俗どもが天子の聡明を覆い隠しているために、都に帰って天子にお目通りすることができない。それが私の心を燃えさせるのである。
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