子を養って学問を教えないのは父親の過ちである。
教え導くのに厳しくしないのは師の怠りである。
父は教え、師は厳しく、両者ともに一意専心、不足をいう余地もないのに、学問が成就しないのは、勉強しない子の罪である。
そのような無学な人間は、暖かい衣服を着、腹いっぱいものを食べて、人並みの顔をして仲間に入り、賢者を見ても平気で、あたかもつちくれなどを見るように笑ったり、話したりするのである。
つまりは偉くなろうとしてもなれず、下等な人間の仲間に入り、少しすぐれた人に遇うともはや相手になって対応することも出来なくなってしまうのである。
勉強をしなさい。若者よ。つとめて師の教えを受けなさい。
立派な先生のところに身を寄せて学び、決して自らの本性をくらましてはいけないのだ。
一旦文官試験に主席で合格すれば、名声は上がり、先輩についで世間からもてはやされ、もし結婚が未だであったら、良家の美人が自然に配偶として求めてくるであろう。
そこで君等に勧めるが、おのおの早く学問を修めるがよい。
年とってから無益に後悔することのないように。
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