さん ちゅうくも
真 山民

我愛山中雲 日日相往還

迹與人倶懶 心與人倶閑

有時抱幽石 伴我林下眠

豈不能爲霖 安肯輕出山

われあいさん ちゅうくも
日日にちにち あい 往還おうかん
あとひとともものう
こころひとともかん なり
とき りて幽石ゆうせきいだ
われともな いてりん ねむ
あに ながあめ
あた わざらんや
いず くんぞあえかろ がろしくやま でんや


私は、毎日往き来しながら変化を見せる山中の雲を見ることが好きである。
雲の流れる姿は、これを見る私と同じように、急がず、あせらず、ものういかのようであるが、のどかで風情もある。
時には、大きな姿となって深山幽谷をも包んでしまい、またあるときは、私と一章に林の中で眠るかのように静かに止まる。
このように山にたわむれ、人と遊ぶ雲が、長雨を降らせて困らせるようなことがどうして出来ようか、それなればこそなおさらに私はこの雲が好きで、どうしてどうして、そう簡単に、此の雲のいる山を出て行けるものではない。