じん ちゅう さく
乃木 希典
嘉永二 (1849)〜大正元 (1912)

稀有楊柳無竹梅

満州地僻又奇哉

飛雲寨下尚冰雪

何日東風渡海來
まれよう りゅう るも竹梅ちくばい
まん しゅう へき また なるかな
うん さい なお ひょう せつ
いず れの東風とうふう うみわた ってきた

たまには楊柳のような木はあるが、竹や梅の花などは見ることが出来ない。
満州の景色は、日本とは全く違っている。
ここ、飛雲寨の辺りは今なお氷雪にとざされて寒さが厳しい。
一体、いつになったら、春風が海を渡って来るのであろうか。