呉王夫差の築いた、古い庭園、荒れ果てた高台に、楊柳だけが新芽をひている。 菱の実をとりながら歌う娘達の美しい歌声を聞いていると春の感傷にたえない。 呉の国全盛時代と変わらぬものは、西江の流れに映る月の影ばかりであるが、思えばこの月は、その昔、呉王の愛人西施たちを照らしていたのだ。