月落ちて人家からは早くも朝餉の煙が立ち上がって明け初めた暁の空になびき、隅田川から空を見上げると永代橋が横たわっていて星の光を上下二つに分けている。 満々とたたえた水は天に連なって流れ、自分が行かんとする総州に向かって白雲となっている。