えい
菅原 道眞
承和十二 (845) 〜 延喜三 (903)

離家三四月

落涙百千行

萬事皆如夢

時時仰彼蒼
いえはな れてさん げつ
なみだおとひゃく せん こう
ばん 皆夢みなゆめごと
そうあお

自分が都の家を離れてから、はや三、四か月も過ぎたろうか。
憂いの心の切なさに、滂沱として落ちる涙をどうすることもできない。
かかる身の上となっては、都でのことも現在のこともすべて夢の中のことのように思われる。
ときどき、遠い都の空を仰いで自分の胸中を訴うるのみである。