自分が都の家を離れてから、はや三、四か月も過ぎたろうか。 憂いの心の切なさに、滂沱として落ちる涙をどうすることもできない。 かかる身の上となっては、都でのことも現在のこともすべて夢の中のことのように思われる。 ときどき、遠い都の空を仰いで自分の胸中を訴うるのみである。