どう ていあそ
李 白
盛唐 (701 〜762) )

洞庭西望楚江分

水盡南天不見雲

日落長沙秋色遠

不知何處弔湘君
洞庭どうてい 西にしのぞ めば こう わか
みず きて南天なんてん くも
ちてちょう しゅう しょく とお
らずいず れのところ にかしょう くんとむら わん

洞庭湖より西方を望めば、楚江が湖水と分かれているのが見え、その水の尽きる南の空は広々として雲も見えない。
だが日暮れともなれば、長沙すなわち湖辺一帯は、秋の景色が遠く連なって何処とも見分けがつかない。
此の地には湘君の霊が祭ってあるが、このように秋色濃い湖辺の景色の中では、湘君を弔おうと思っても、一体どのあたりなのか見当もつかない。