高い山に登ると、天下など小さなものだと思われ、自ら意気の盛んなことを誇りに思うものである。 しかし、上を見上げれば、また一段と高い山が聳え立っている。 さてそのことをどう考えたらよいであろうか。 仰ぎ見れば見るほど一層高く聳え立ってわれわれに迫ってくるのである。 世の中もこの山々と同じくこれでよいということはない。