しょう
杉浦 重剛
安政二 (1855) 〜大正十三 (1924)
登獄小天下

自誇意気豪

其奈山上山

仰之一層高
がくのぼ りててんしょう とし
みずかほこ ごう なるを
さん じょうやまいか んせん
これあお げば一層いっそう たか

高い山に登ると、天下など小さなものだと思われ、自ら意気の盛んなことを誇りに思うものである。
しかし、上を見上げれば、また一段と高い山が聳え立っている。
さてそのことをどう考えたらよいであろうか。
仰ぎ見れば見るほど一層高く聳え立ってわれわれに迫ってくるのである。
世の中もこの山々と同じくこれでよいということはない。