太平洋を航海していると陸も島も見えず、見渡すかぎり海である。 朝、太陽は波の間から上がり、夕方また波の間に沈んでいく。 広々とした海の水は美しい紫色をしている。 大鳥の飛ぶ影もなく、大魚の躍ることもなく、平穏な航海である。 ふと見上げた青空には、ひとひらの雲が浮んでゆっくりと静かに流れてゆく。