がい うた
項 羽
楚 (前282) 〜 (前202)

力抜山兮気蓋世

時不利兮騅不逝

騅不逝兮可奈何

虞兮虞兮奈若何
ちから やまおお
とき あらずすい かず
すいかざるは にすべき
なんじ かん せん  

わたしの力は山をも引き抜く程に強く、わたしの意気はこの広大な世界おもおおいつつむ程に盛んであった。
ところがどうしたことであろう。時の運はつたなく、たのみとする愛馬の騅も動けなくなってしまった。
騅が動けなくなった以上、この後どうすることができようか。
そしていとしい虞よ、お前もまたどうすることもできないのだ。