すでに人生を五十年も過ごしたのに一向に功績がないのは実に恥ずかしい。 今は花咲く春も過ぎ去って夏の半ばである。 あをばえが部屋の中をうるさく飛びまわっているように小人共の動きがうるさい。 こんな所にいつまでもいないでいっそ禅堂を訪れ或いはまた、涼しい風に吹かれながら木陰に臥したいものだ。さぞせいせいすることであろう。