朝早く、朝焼け雲が美しくたなびいている頃に、白帝城を出発して急流を下ると、千里のかなたの江陵まで、わずか一日で還り着いてしまった。 両岸の猿の啼く声は絶え間なく続いているが、私の乗っている軽い舟は早くも幾重にも重なる山々の間を通り過ぎていったのである。