この易水のほとりのこの地は、かって荊軻が燕の太子丹に別れたところである。 その時、さかんな意気に壮士荊軻の髪は逆立ち、冠をつきあげんばかりであったという。 そのような話もすでに昔のこととなり、またそのような意 気さかんな人物ももはやいなくなってしまっている。 そして易水の水だけが、昔のままに寒々と流れているばかり である。