八 
                                    月 十 五 日 
                                    (大野 恵造)  
                                    吟:伏尾 琵城・西野 嬢山・赤松 翔景・塩月 
                                    水赫 | 
                                 
                                 
                                   
                                    
                                       
                                        君よ忘れること勿れ国敗れたる日を 
                                           
                                          海覆り山崩れたる 
                                           
                                          八月十五日を  
                                           
                                          同胞は声を失い唯相抱き 
                                           
                                          相擁して哭けり 
                                           
                                           
                                          吾は想起す終戦の日を 
                                           
                                          八月十五日を 
                                           
                                          胸奥先ず宿りしは 
                                           
                                          兵火熄えたる安堵の念 
                                           
                                           
                                          噫青苔斜陽に翳りて 
                                           
                                          英霊の墳に生うる 
                                           
                                          八月十五日を  
                                           
                                          老若は祷る 
                                           
                                          戦の惨禍復び招くべからずと  
                                           | 
                                       
                                     
                                   | 
                                 
                               
                             | 
                           
                         
                       | 
                    
                     
                       
                        
                           
                              | 
                            あまりにも大きな犠牲を払って得た平和。 
                              日本に平和の風が吹き始めた。  | 
                           
                         
                       | 
                    
                     
                       
                        
                           
                             
                              
                                 
                                  平 
                                    和 の 鐘 
                                    (小原 方外)  
                                    吟:樋口 勇山・村勧 星冑・井戸 水清・佐々木 
                                    秀景 | 
                                 
                                 
                                   
                                    
                                       
                                         
                                          吁嗟鐘が鳴る平和の鐘が 
                                           
                                          復興日本其の足音 
                                           
                                          当年原爆何の辺にか落つ 
                                           
                                          悪夢抛ち来たる争戦の跡 
                                           
                                          髑髏粛々として鬼火うすづき 
                                           
                                          累々たる瓦礫我が胸を衝く  
                                           
                                          復興の広島と長崎と 
                                           
                                          吁嗟鐘が鳴る平和の鐘が   
                                           | 
                                       
                                     
                                   | 
                                 
                               
                             | 
                           
                         
                       | 
                    
                     
                       
                        
                           
                              | 
                            そして、戦争は終結したものの、雪と氷に閉ざされ 
                              「白い地獄」 と言われたシベリアに収容された兵士達。 
                              シベリア収容所は戦後、スターリン独裁下のソビエトに抑留された六十万の日本人。飢えと寒さと強制労働で七万人が犠牲となった極限状態の収容所であった。 
                              何時、帰れるともわからない収容所で友を、自分を励ましながら歌う望郷の歌は。  | 
                           
                         
                       | 
                    
                     
                       
                        
                           
                             
                              
                                 
                                   
                                    
                                       
                                        異 
                                          国 の 丘 
                                          (増田 幸治)  
                                          歌:二部男性 | 
                                       
                                       
                                         
                                          
                                             
                                               
                                                  (一) 
                                                 
                                                今日も暮れゆく 異国の丘に 
                                                 
                                                友よ辛かろ 切なかろ 
                                                 
                                                我慢だ待ってろ 嵐が過ぎりゃ 
                                                 
                                                帰る日もくる 春がくる  
                                                 
                                                  (二)  
                                                 
                                                今日も更けゆく 異国の丘に 
                                                 
                                                夢も寒かろ 冷たかろ  
                                                 
                                                泣いて笑って 歌ってたえりゃ 
                                                 
                                                望む日がくる 朝がくる   | 
                                             
                                           
                                         | 
                                       
                                     
                                   | 
                                 
                               
                             | 
                           
                         
                       | 
                    
                     
                       
                        
                           
                             
                              
                                 
                                  異 
                                    国 の 丘 
                                    (源 八岳)  
                                    吟:森本 旭城・上山 芳瑤・松本 寵山・岡本 
                                    エン城・上村善摂・清水 煌岳 | 
                                 
                                 
                                   
                                    
                                       
                                         
                                          誰が唱うか遥かに聞こゆ異国の丘 
                                           
                                          哀調綿々望郷の情 
                                           
                                          北風に身を削る同胞の歌 
                                           
                                          鳥拉山辺日没するの天 
                                           
                                          耐え忍んで斃るるなかれ異国の丘に 
                                           
                                          故郷肉親君を待つ事久しと  
                                           
                                          友を励まし又も唱う異国に丘 
                                           
                                          歌声天に通じて鬼神をも泣かしむ   
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                            戦後、いまだ、南方の島々には累々として英霊の御骨が横たわっているという。 
                              切ない望郷の思いを胸に死んだ戦没者。いまだ、戦争の終結後も故郷に戻れない英霊が。  | 
                           
                         
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                                  英 
                                    霊 南 よ り 還 る 
                                    (松口 月城)  
                                    吟:矢間 紫水・小佐野 桂洲・池田 哲星 | 
                                 
                                 
                                   
                                    
                                       
                                         
                                          異郷に骨を曝す十余年 
                                           
                                          鬼哭啾々誰か憐まざらんや 
                                           
                                          勇躍會て上る遠征の旅 
                                           
                                          無言今還る故国の天 
                                           
                                          戦争の末路何ぞ悲壮なる 
                                           
                                          涙は迸り胸は迫る英霊の前  
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                            風が桜を散らす。縦横無尽に花びらは舞っていく。 
                              その花吹雪の中、国の為に死んでいった多くの英霊が安らかに眠っている九段。 
                              二度と不孝な風が吹くことのないように、と。  | 
                           
                         
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                                  九 
                                    段 の 桜 
                                    (本宮 三香)  
                                    吟:渡辺 緑翔・安福 緑玲・西岡 緑春 | 
                                 
                                 
                                   
                                    
                                       
                                         
                                          至誠烈々乾坤を貫く 
                                           
                                          忠勇の誉は高し靖国の門 
                                           
                                            御国を思う一筋に 
                                           
                                              戦いの庭に咲き出でて 
                                           
                                               名残を惜しまず 散る桜 
                                           
                                                 操は永久に香ぐわしき 
                                           
                                            靖国の宮に御霊は鎮まるも 
                                           
                                                折々帰れ母の夢路に 
                                           
                                          花は九段に満ちて春海の如し 
                                           
                                          香雲深き処英魂を祭る  
                                           | 
                                       
                                     
                                   | 
                                 
                               
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