〜 〜 『 寅 の 読 書 室  Part X-U』 〜 〜
== 『般 若 心 経』==

2017/09/08 (金) 写経したものはどうすればよいでしょうか。

お供えする、お納めする、差しあげるなどがよろしいでしょう。
大した枚数でなければ、お仏壇にお供えしてもいいでしょう。保存する場合は、粗末にならぬよう大切にしまっておくというのが一般的ですが、あまり沢山たまってきますと、捨てるに捨てられず困る、なそということも出てまいります。その場合は、お正月の 「とんど焼き」 の時に焼いてもらうか、あるいは、寺社の古札置き場にお賽銭さいせん を添えて納めさせていただいてもよいと思います。神社の納札箱のうさつばこ に入れるのも、よろしいでしょう。
そういう方法で処分するのでなく、欲しいという人に差しあげるという方法もあります。これは大変な功徳くどく になります。また、 『般若経はんにゃきょう 』 によれば、この経を安置してある所には、もろもろの悪事は近寄ることなく、いろいろな吉祥きっしょう があるといいますから、何か入れ物をつくっておまつ りなどするのも、大変結構なことと思います。
昔は、お寺に奉納するほか、経筒きょうづつ に入れて霊山などに めて奉納しました。いわゆる埋経まいきょう です。これは、その山の神様への贈り物です。今日では、そうしたものをみだりに埋められるような世の中ではありませんので、もし埋めたいとお考えなら、埋めてよいかどうか霊山を管理する寺社に聞いてみることです。
ただ、寺院では写経を募っている所もあります。そういう所に納めるのもよいと思います。また、四国八十八ヶ所霊場の巡礼などに行きますと、納経のうきょう 箱というものがありますから、そこの納めるのもよいでしょう。この場合は、少なくとも八十八枚書かなくてはいけません。結局、最後まで書きあげることが出来ず、途中でどうにもならないというので、丸めてゴミ箱などに入れるのは論外の行為です。
しずれにしましても、お経は尊いものですから、書いたものが粗末にならないようにしまくてはいけません。
『実践 般若心経入門』 著:羽田 守快 ヨリ