かって秦・漢の時代、この関門の夜空には、今と同じくこの美しい月が出ていたのであろう。 そのはるか昔からこ の月の光を身に浴びて、一体、幾人の将兵が万里遠征の旅に出ていったことであろう。 彼らはついに帰って来 なかった。その事情は今と変わりないが、あの龍城の飛将軍がいたら、胡賊の侵入など無かったであろうものを 、情けないことだ。