よし 
梁川 星巖
寛政元(1789)〜安政五(1858)

今來古往事茫茫

石馬無聲抔土荒

春入櫻花滿山白

南朝天子御魂香
今来こんらい おう ことぼうぼう
せきばき こえほう れたり
はるおう って満山白まんざんしろ
南朝なんちょうてん御魂ぎょこんかんば

来る年、行く年、入れ代わって昔の跡は茫々としてわからなくなっている。
御陵を守る石造りの馬も黙々として何も語ることなく、御陵は大へん荒れている。
ただ桜花が春を迎えて満山に白く咲きにおい、南朝の天子様の御霊をお慰め申し上げているのみである。