来る年、行く年、入れ代わって昔の跡は茫々としてわからなくなっている。 御陵を守る石造りの馬も黙々として何も語ることなく、御陵は大へん荒れている。 ただ桜花が春を迎えて満山に白く咲きにおい、南朝の天子様の御霊をお慰め申し上げているのみである。