しゅう じつ 友 人ゆうじんわか
巨勢 識人
(平安期)

 
林葉りんよう 翩翩へんぺん しゅう じつ くれ
行人独こうじんひと こう辺山へんざんくも
あま天際てんさい けんつき
ばん りゅう こう とおきみおく

林では木々の葉が風に吹かれてひらひらと散り、秋に日はすっかり暮れてしまった。
その折り旅人はひとり辺地 の雲のかなたへと旅だって行く。
ただ地平線のかなたに月だけが一つのこって、美しい光を万里のかなたから流 して、遠くに旅立つ君を送っている。