草の白く枯れた平原に立って、遠く都を望むのであるが、ただ東へ流れて尽きることのない、黄河の水が見える ばかりである。 秋の空は澄みわたり、その下に果てしなく広がる原野には、旅人の影も絶えてしまっていたが、そ のとき唯一人、はるか彼方から馬上東へとこちらに向かって来る者があるが、あれは一体だれだろう。 都に帰れ るとは羨ましいかぎりである。