しゅつ 塞 行さいこう
王 昌齢
盛唐 (698〜755)

白草原頭望京師

黄河水流無盡時

秋天曠野行人絶

馬首東來知是誰

白草はくそう原頭げんとう けい のぞ めば
こう 水流みずなが れて くるとき
しゅう 天曠てんこう 行人こうじん
しゅ 東来とうらい するはたれ

草の白く枯れた平原に立って、遠く都を望むのであるが、ただ東へ流れて尽きることのない、黄河の水が見える ばかりである。
秋の空は澄みわたり、その下に果てしなく広がる原野には、旅人の影も絶えてしまっていたが、そ のとき唯一人、はるか彼方から馬上東へとこちらに向かって来る者があるが、あれは一体だれだろう。
都に帰れ るとは羨ましいかぎりである。