新 年しん ねん せつ ばい
有智子内親王
大同二 (807)〜承和十四 (847)

春光初動寒猶緊

一株梅花雪裏開

想像宮中嬋娟處

暗知黄鳥稍相催
しゅん こう はじ めてうご けども寒猶緊かんなおきび
いっ しゅばい せつ ひら
きゅう ちゅう 嬋娟せんけんところ
想像そうぞう
あんこう ちょう 稍相ややあい もよお すを

春のきざしが見えてきたとはいえ、まだまだ寒さはきびしい。
それでも、ここ賀茂神社境内の一本の梅の木は、雪の中に花をつけている。
それにつけても宮中はあでやかなところであるから、おそらくはもう梅の花も咲き満ち、うぐいすも盛んに鳴いているのではないかと思われる。」