朝、一通の上奏文を九重の宮居るの天子にたてまつった。
そうすると夕べには,はやくも八千里ものかなたの潮 州に流されることになった。
聖明の天子のために弊害を除こうと思ったのであり、衰え朽ちたわが身ゆえ、今さら どうして残年を惜しむことがあろうか、あといくばくもない命を惜しいとは思わぬ。
雲は秦嶺山脈に横たわって、わ が家はどこにあるかわからない。
雪は藍田の関をうずめつくして、わが乗る馬の歩みもすすまない。
お前がこうし て遠くまで来てくれたのは、当然何かのつもりがあってのことにちがいない。
そうだ、その考えのとおり、それなら 私がかの地で死んだなら、骨を瘴江のほとりでひろってほしい。
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