さん こう どう しめ
草場 佩川
天明七 (1787) 〜 慶応三 (1867)

路入羊腸滑石苔

風從鞋底掃雲廻

登山恰似書生業

一歩歩高光景開
みち羊腸ようちょう って石苔せきたい なめらか なり
かぜ鞋底あいてい くもはろ うてめぐ
やまのぼ るはあたかしょ せいぎょう たり
いっ たこ うして光景こうけい ひら

山路は斜めにどこまでも続いていて、石にむした苔も滑らかである。
風は草鞋の下から雲を払って吹きめぐる。
山に登るということは、あたかも書生が勉学に励むことと同じである。
勉学に励めば励む程、見識が開けてくるように、一歩一歩高く登るにつれて、新しく視界が開けてくるのである。