山 行さんこう
杜 牧
晩唐(803〜851)

遠上寒山石徑斜

白雲生處有人家

停車坐愛楓林晩

霜葉紅於二月花
とお寒山かんざんのぼれば石径斜せっけいななめなり
白雲生はくうんしょうずる処人ところじん
くるまとどめてそぞろ ろにあい楓林ふうりんくれ
霜葉そうようがつはな よりもくれないなり

はるばると晩秋のもの寂しい山を登って行く。
石を敷きつめた山の道は斜めにどこまでも続いている。
白い雲が 湧く上がっているあたりに人家が見える。
車を止めて、そのままうっとりと夕暮れの楓の林の美しさに見とれた。
霜 のために色づいた楓の葉は、夕陽を受けて一段と赤く映え、二月に咲く桃の花よりも美しかった。