雪のきよらかに降りつもる胡の国の空の下、放牧の馬が帰ってくる。 明るい月の光の中では遠い物見やぐらから「落梅花」の曲を吹く胡の笛の音が聞こえてくる。 さて、お尋ねしよう。その梅の花は、いったいどこに散ってしまったのか。 いや、それは一夜風の吹くままに、国境の山々に散りつもるのである。 笛の音が至るところにひびきわたるのだから。