さい きょく
常 建
盛唐 (生没年不詳)

北海陰風動地來

明君祠上望龍堆

髑髏盡是長城卒

日暮沙場飛作灰
北海ほっかいいん ぷう うご かしてきた
明君めいくん じょう 龍堆りょうたいのぞ
どく ことごとこれ長城ちょうじょうそつ
にち じょう んではい

北海からの北風は、大地を動かすかのように、すさまじい勢いで吹いてくる。
その風の中で、王昭君のほこらのあ たりから遠く龍堆の戦場をながめた。
ここで死んだ若者達は、みな髑髏と化したであろうが、いずれも長城を守っ た兵士である。
この日暮れに風が起きると、また一段と砂塵が舞い上がるが、それは彼らの骨が灰となって飛ぶ のである。